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第30回記念 日本文化デザイン会議2008 プレ会議「10コマ会議 リレートーク」の様子を、テキストと画像、動画にて閲覧することができます。
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「日本文化デザイン会議」第30回を記念し、東京・赤坂の地で、中島信也氏、蜷川有紀氏による司会進行のもと、本会議が開催された。これまでの日本文化デザイン会議と共に同時代の日本文化を振り返り、未来に向けた提言などを自由に語り合うという趣旨だ。
代表幹事である日比野克彦氏が謝辞を述べ、続いて、今回議長を務めたしりあがり寿氏が登場。本会議に先駆けて行われた5日間に及ぶプレ会議では、延べ約800名もの方に足を運んでもらえたことに感謝の意を述べた。実行委員である、千住明氏、曽我部昌史氏、多田宏行氏、中島信也氏、永井一史氏、原島博氏からも一言ずつ挨拶をしていただき、改めて有意義な時間を過ごせたことを振り返った。
日本文化デザイン大賞に梅原猛氏、特別賞には故・黒川紀章氏が選ばれた。
梅原氏には、代表幹事である日比野克彦氏より表彰状と副賞が手渡され、故・黒川氏の代理として、ご息女である黒川かこ氏が登壇し、團紀彦氏より表彰状と副賞が手渡された。表彰状は千住博氏画の扇子、副賞は日比野克彦氏が制作したガラスオブジェ。
故・黒川紀章氏と「日本文化デザイン会議」の礎を築き、共に尽力、発展させてきた功労を讃えられての今回の日本文化デザイン大賞受賞だが、梅原氏はあくまでも「成り行きだ」と謙遜。これからの文化や学問のあり方に対して「外国の文化や日本古来の文化を継承していくだけではダメ。学問とは常に新しいことを創造していかねばならない」と、83歳を迎える現在も意欲的に仕事に取り組まれており、また新しいものの見方がなかなかできない学者たちの現状に、故・岡本太郎氏のエピソードを引き合いに出し「死んだら評価される(笑)」と冗談を交えながらも、保守的な傾向にある現状に対して警鐘を鳴らした。現在もなお、世阿弥や親鸞について、研究に余念がないという氏。「親鸞のように、80歳を超えてからもいい仕事をしたい。そしてまた、賞をもらいたい」と笑顔でしめくくった。生き生きとした瞳とあふれる好奇心で今後の抱負を語った。
第二部では、河原敏文氏、マリ・クリスティーヌ氏による司会のもと、日本文化デザイン会議第30回記念ソングの発表と、8つのテーマについて出演者が語り合うという「スピーチ漫陀羅」が行われた。
発表された記念ソングは、しりあがり寿氏作詞、千住明氏作曲の「スピーチバルーンの歌」。はじめて作詞に挑戦したというしりあがり氏だったが、「どんな人にでも伝わる力を持った言葉が詰まっていた」と、千住氏から絶賛の詞に仕上がった。
「スピーチ漫陀羅」は、サンスクリット語の“曼陀羅(マンダラ)”にかけ、丸いとか、物事の本質という意味を持った言葉。
出演者たちは短い時間ながら、独自の視点から各々のテーマ(日本・生き物・自然・家・感性・身体・ものづくり・東京)を掘り下げた。
松岡正剛 芳賀徹
知の巨人ともいえる両名は、250年もの長きに渡り政権が続いた江戸、徳川幕府の話で盛り上がった。鉄砲を禁止し、鎖国化をした背景から平和が生まれ、それによって民衆による文化が花開いた時代であったことに注目。文化のリユース(再活用)をうまくやってきたのが、日本文化の特徴であったと語る。
赤池学 冨田勝 廣瀬通孝
地下資源の枯渇をはじめ、環境問題が深刻化する21世紀に向け、昆虫などの生物やロボットの共生を提案。生物を人間のために都合よくデザインしていくことに違和感はあるが、倫理面も考慮しながら、人のために役立てていくことの必要性を述べた。
速水亨 山田真美 若林広幸
人為的なことで、本来の自然が変化してきた。自然の中で自分がどういうポジションにいるか、関係性を見つめ直すことが大切で、人間が社会からの脱皮を考えると、人間と自然が共存できるのでは、と提案した。
手塚貴晴 遠藤秀平 小笠原敬承斎
昔、家の中ですることだったもののひとつに躾があったという。時代を超える家の作法があったのだ。また、日本の美しい街並みが壊されたのは、日本人の心が壊れたことに他ならない。継承していくべき日本人の心を、今一度取り戻していくべき、と提言した。
榎本了壱 大樋年雄 黒川雅之 庄野泰子
女流俳人、橋本多佳子と桂信子の俳句を詠み上げ、そこで表現される感性は対照的としながらも、両者ともウツの心を秘めているのではという仮説を立てた。ウツがときには力強い光ともなりうる可能性を示し、迫り来る「一億総ウツの時代」に向けてメッセージを送った。
稲越功一 近藤熏O 芳賀直子
年齢を重ねれば、体力も衰えるし、病気もするのは当然のことだとしながらも、身体を通してものをよく見ることの大切さを語った。自分たちが風景を見るのではなく、風景に見られていることを意識すれば、見え方も考え方も変わってくるのではないか。
坂井直樹 石井リーサ明理 堀木エリ子
“ものづくり”というテーマから、それぞれに作品をプレゼンテーションし、観客の目を楽しませた。そして、元来人間はみんなクリエーターだったと述べ、ものづくりの原点ともいえる、職人たちの技術を後世に伝えていくべきだとの使命も語った。
日比野克彦 三枝成彰 團紀彦
変化し続けている東京では、貧富の差が広がって、ウツの時代に突入すると指摘。さらに、文化やデザインといった言葉がいかがわしく聞こえるようになってきたことを問題視し、もっとオープンに、いろんな人たちが語れる場になっていくべきだと主張した。
しりあがり氏は「時間が足りないくらい楽しい話ばかりだった。まだまだ続くデザイン会議を、これからも続けていきたい。縁がありましたら、またみなさんとお会いして、いろんな話をしたいと思います」と意気込みを述べた。
最後に、「スピーチバルーンの歌」をはじめ、「タネの奥にハナ」〜見えるもの・見えないもの、「今日はあなたのたんじょうび」と、過去の記念ソングを、千住明氏によるピアノ演奏で、合唱団とともに登壇した会員たちが高らかに歌い上げた。