| 議長 |
- |
しりあがり寿 |
| 実行委員 |
- |
千住 明 |
| 曽我部昌史 |
| 多田宏行 |
| 永井一史 |
| 中島信也 |
| 原島 博 |
| 日比野克彦 |
プレ会議
6月14日(土) 14:00〜15:30
テーマ「30」
- しりあがり寿 (漫画家)
- 祖父江慎 (アートディレクター/ブックデザイナー)
- 西原理恵子 (漫画家)
- 宮田人司 ( クリエイティブディレクター)
- 八谷和彦 (メディアアーティスト)
記念すべき30回目をむかえた日本文化デザイン会議。今回は『話すことってとっても大事』という思いを掲げ、“スピーチバルーン(フキダシ)”をアイコンに、1日2コマ、計10コマの会議リレートークを開催する。しかもおもしろいことに、話し合いのテーマは席につくまでわからないという趣向。一寸先は闇ともいえる演出に、パネリストたちも少々とまどい気味の模様だ。
第1回目は、モデレーターのしりあがり寿氏ほか、時代をリードするパネリスト4名を中央に、満席となった会場で幕開けした。黄色の全身タイツに身を包まれた“スピーチバルーンマン”が本日のテーマをふろしきに抱えて登場。この日、日比野克彦氏より提出されたテーマは「30」。自身の30歳を振り返り「30病気説」、「30節目説」など、それぞれユーモアあふれる切り口で、時間はあっという間に経過していった。西原理恵子氏は「30超えたらどうでもよくなった!」と、それまでは他人の目を気にしていた呪縛から放たれ、ラクになったことを告白。しりあがり氏も「サナギの中で眠っていた20代から、ようやく自由になった」と述べ、責任ある自由が手に入る年齢として、30歳の楽しさを強調した。
ということで『30すぎたら自由になる!!』を、テーマに対する総括としてスピーチバルーンに書き込み、講演は無事終了。次回の講演テーマをふろしきに包み、第2回目のトークリレーへバトンパスされた。
6月14日(土) 15:50〜17:20
テーマ「なんだかいろいろ変わっていく」
- 曽我部昌史 (建築家/神奈川大学教授)
- 小泉雅生 (建築家)
- 寄藤文平 (アートディレクター)
- 坂口恭平 (建築探検家)
第2回目も同様、何も知らされないまま席についたパネラー4名。モデレーターを務める建築家の曽我部昌史氏に手渡されたテーマは『なんだかいろいろ変わっていく』。これを受けて、独自の観点からそれぞれの思いを自由に語りはじめた。まず“最近変装をしている”という曽我部氏は、坊主頭から髪を伸ばしているということで、知人に会っても気づかれないというエピソードを披露。そしてこの発言が、最後とんでもないとばっちり(?)を受けることとなる…。
ほかには、現在の建築物に違和感を抱き、常に変化し続ける路上生活者の家を研究している坂口恭平氏は、変化こそあるべき姿だと主張。一方で、変化に対するとまどいや不安、人間のものの見方が変われば、とらえ方も違ってくるという、とらえどころのないさまざまな種類の変化にまで言及。「形が欲望を変えるのか、欲望が形を変えるのか」と、議論は平行線のまま。
ここで、観客席にいたコミュニケーション工学者である原島博氏が一石を投ずる。「曽我部君の髪形が変わったことで、欲望はどう変わったのか?今の髪形だと、やせないとかっこ悪いのでは?」と冗談めかすと笑いの渦が巻き起こり、「形が欲望を変えるのかも」と締めくくった。この発言を受けてなぜか「いろいろ形は変わるが、まずは髪形を変えることですべては始まる(?)」というまとめになり、総括テーマは『髪形からはじめよう!』に決定!とまどう曽我部氏をよそに、会場は大爆笑のまま幕を閉じた。
6月21日(土) 14:00〜15:30
テーマ「頭の中の東京と実際の東京」
- 多田宏行 (三井不動産(株)上席主幹/東京大学大学院客員教授)
- 稲本健一 ((株)ゼットン代表取締役)
- 北山孝雄 (プロデューサー)
- 横川正紀 ((株)ジョージズファニチュア代表)
- 河原敏文 (CGアーティスト)
 第3回目となるリレートーク、今回モデレーターの多田宏行氏に委ねられたテーマは『頭の中の東京と実際の東京』。衣・食・住をさまざまなアプローチで昇華させ、現在の東京を築いてきた賢人たちによる、それぞれの思いを語ってもらった。
「超高層ビルから眺めるかっこいい東京をすごいなと思いつつ、汚くても居心地の良い事務所がやはりしっくりくる」と具体例を挙げてくれた北山孝雄氏をはじめ、“憧れの街東京と暮らしやすい東京には矛盾がある”と、両者は別のものだと主張。また河原敏文氏は「今回のテーマは言い換えると、“バーチャルな世界とリアルな世界”なのでは?今はこの両方を同時に経験している初めての世代で、振り回されないためには、パーソナルに生きることが大事」と、個人のあり方にスポットを置いていくことの重要性を述べた。
「便利ばかりでいいのかな?」という会場からの質問については、全員が危機感を感じており、効率ばかりを追い求めてきた時代のひずみが、最近の凄惨な事件を引き起こしているのではと警鐘を鳴らした。あらゆる情報が氾濫する中、「自分に合った生き方をすることが大切で、そのためには仲間が必要。東京という大きなコミュニティの中で、仲間という小さなコミュニティができると生きやすくなる」と多田氏が締めくくった。
これをふまえ『東京で仲間を作ってゆっくり生きよう』が今回の総括となり、ありのままの自分を受け入れてくれる仲間という受け皿が、混沌とした東京を生き抜くための新しい価値基準となる可能性を示してくれた。
6月21日(土) 15:50〜17:20
テーマ「仲間と夢」
- 團紀彦 (建築家)
- 竹山聖 (建築家)
- 波頭亮 (経営コンサルタント)
- 三枝成彰 (作曲家)
Part3のトークでキーワードとなった“仲間の大切さ”からつながったテーマは『仲間と夢』。なんと、モデレーターの團紀彦氏をはじめとする今回のメンバー4人は、数十年来の仲間で、年に1度はみんなで離島に遊びに行くというほど仲良しなのだそう。奇しくも4人にうってつけのテーマとなったが、改めて“仲間”そして“夢”について考えていただいた。
生死をさまよった経験を持つ竹山聖氏は「人生の本当の幸せって、最期にいい仲間に恵まれたなって思えることだと思う。仲間はこれまで生きてきた財産。だとしたら夢は、これから生きていくためのテーマ」と説得力のある語り口調で述べた。人付き合いは得意ではないという波頭亮氏も、3人には尊敬の念と仲の良さをアピール。また自身が幼少時に病弱だったことから将来への夢を抱かなかったことを告白。「人のやりたいことをお手伝いして、それがうまくいくと楽しい」と、夢を持つことだけがすべてではないと語った。そして意外にも音楽の才能はないと言う三枝成彰氏。「人生のほとんどは勉強ばかりしてきた。才能がないと思って夢を諦めている人は多いが、人の3倍努力すれば夢は叶うと思う」と励ましのエールを送った。
また、海外の仕事を請け負うこともある團氏が痛感するのは「日本も文化やデザインだけではスケールが小さいのでは?これからは文明ということも視野に入れて個人が新しい方向をめざして行くべきだ」とグローバルな観点に立った日本のあり方を提起した。竹山氏は「“文化が仲間で文明が夢”なんだと思う。仲間意識の高い日本人は文化しか作ってこなかったが、もう少し普遍的な文明を見据えていきたい」と、混沌としている日本への指標を提案。『文明と文化』を総括とし、トークリレーは次回へバトンパスされた。
6月28日(土) 14:00〜15:30
テーマ「Hungryはいやだ」
- 佐伯順子 (同志社大学大学院教授/学術博士)
- しりあがり寿 (漫画家)
- 鏡リュウジ (占星術研究家)
- サエキけんぞう (作詞家/プロデューサー)
- 東浩紀 (批評家)
今回モデレーターを務めるのは、知性と品格の漂う佐伯順子氏(なんと、あの伝説のバンド「カブキ・ロックス」の前身メンバーだったとか!)。さまざまなカルチャーシーンを担う5人が集まり、“ハングリー”の本質にあるものをそれぞれの視点から語ってもらった。
秋葉原の “地下アイドル”について詳しいサエキけんぞう氏によると、「地下アイドルは、男性ファンに対して攻撃的。どこか精神的に満たされていないのでは?」と分析。一方で一見何の悩みもなさそうな美人キャリアウーマンが、「神社めぐりやオーラソーマの資格をとったりしている」と、どこか不安を抱えている女性について鏡リュウジ氏は述べる。オタク文化に精通している東浩紀氏は、この現状をふまえ「占い好きの女子と腐女子はオーバーラップするところがある」と鋭く指摘。オタク文化からスピリチュアルブームまで、トークは枝葉を広げ尽きることがないが、精神的にハングリーな現代人の姿が浮かび上がってきた。ハングリーであることがいいか悪いかは別として、昔に比べて選択肢が増えた分、幸せをもっと求めるハングリー精神が助長されているようだ。
一方で観客席からスピーチバルーンに書き込まれたメッセージには「ハングリーになりなよ!なくなったら夢もなくなるよ!」という肯定的な意見も。前向きに『ハングリーは夢の源』という方向でまとまった。欲望がないと成長しないのも然り、しかしそればかりだと疲弊してしまうのも然り、身の丈に合ったハングリーがいいかも!?
6月28日(土) 15:50〜17:20
テーマ「いたみといやし」
- 中島信也 (CM演出家)
- 森本千絵 (アートディレクター)
- 小泉今日子 (女優/歌手)
「さきほどとは一気にIQを下げていかんとあかんな〜」とテンポのよい大阪弁で場をなごませるのは、今回のモデレーター、中島信也氏。大学の後輩であるという森本千絵氏を「ちえちゃん」と気さくに呼び、仲良しの二人は息もぴったり!さらに今回はスペシャルゲストとして、小泉今日子さんが飛び入り参加!会場からはどよめきと歓声があがり、華やかなムードに包まれた。小泉さんが出演し、中島氏が手がけたCMや貴重な映像を披露するなど楽しいプレゼンテーションが行われ、「いたみといやし」をテーマに終始笑いの絶えないトークがスタートした。
何気ない一言で、人を傷つけてしまったときの痛みはとり返しがつかないと言う中島氏は「できるだけしゃべらない方がいい(笑)」と、言葉の怖さを実感しているよう。癒しとは、すこやかで美しい状態だと述べる森本氏は「基本的に人はネガティブなことを広める方が得意。だけど、誉めたり笑ったり、プラスのイメージを伝えていくことが大切」と語る。そして自身も楽しいCMを創っていきたいと述べた。
会場からの「大切な癒し言葉は?」という質問に、「バカボンのパパの“〜なのだ〜”をつけると楽しくなる(笑)」と小泉さん。ニュアンスが柔らかくなり、聞いた人も癒されるとか。結局のところ、痛みも知らないと癒しもわからないという結論に。「元気を出そうよ!」というメッセージを込め『イタミもイヤシもおんなじなのだ』と、バカボン風にしめくくった。
7月5日(土) 14:00〜15:30
テーマ「『話すことって大切』ですか?ほんとうに。」
- 永井一史 (アートディレクター)
- 箭内道彦 (クリエイティブディレクター)
- 佐野研二郎 (アートディレクター)
- 谷山雅計 (クリエイティブディレクター/コピーライター)
今回のメンバーは、元は博報堂時代の仲間だったという4名。そしてフリーとなった現在も、有名CMや広告を手がけ、第一線で活躍し続けている。そんな一流のクリエーターたちが普段どんなことを考えているのか、仕事以外での顔を覗こうと会場は満席だ。
さて、中島信也氏からの気になるお題は『話すことって大切ですか?』。この会議のアンチテーゼとも言える少々やっかいな内容だ。これに対し、佐野研二郎氏は“jpegの呪い”エピソードを披露。メールでのやりとりが増え、直接会わないで仕事を進めていると、細かな意思疎通ができておらず困ったことがあるそう。コピーライターである谷山雅計氏も、言葉は大事だと実感しつつ「1対1で考えたとき、いろんな方法があるのでは?手をつないだり、ハグしたり、見つめ合ったりとかね」と、言葉以外のコミュニケーションも重視。司会業をこなすなどマルチな才能を発揮している箭内道彦氏は「世の中全員がインタビュアーになったら素敵だな。歌舞伎町にインタビュー屋ができたら面白いかも」とユニークな提案をした。インタビューされる方は、無意識だった部分が明確になり、自分の思考が整理できるというメリットがあるそうだ。
永井一史氏も、ネットやメールでのコミュニケーション手段は肯定しつつ「会って話すと全然違ってくる。その先は歌やダンスなど、コミュニケーションはいろいろあっていい」と述べ、『まず出会ってみる。でも伝える方法はコトバだけじゃない!』と締めくくった。
7月5日(土) 15:00〜17:20
テーマ「今、まずいものって!?」
- 千住明 (作曲家)
- 王理恵 (雑穀・野菜料理研究家)
- 小山裕久 (日本料理人)
- 服部幸應 ((学)服部学園服部栄養専門学校 理事長・校長)
今回のモデレーターは「音楽家になっていなかったら、料理人になっていた」というほど食への愛情が深い千住明氏。食に関係した人たちと話したいということでお集まりいただいたのは、業界の顔ともいえる著名人ばかり!永井氏からバトンパスされた『今、まずいものって!?』というテーマを、どんな風に料理していくのか興味深いところだ。
食育をはじめとする食への造詣が深い服部幸應氏は、日本の自給率が39%という現実をふまえ、「日本の流通システムがまずい」と言及。そんな状況にもかかわらず、年間2160万トンもの残飯を出していることや、昔に比べて若い料理人がすぐ食材を捨てていることなど、“もったいない”の精神が忘れられていることを語った。また、環境問題に関心を持ち、マイ箸運動をしている王理恵氏は「食材を無駄にしないために、買い物のしすぎに注意している」と、普段の生活でも積極的にエコを意識しているようだ。日本料理界の重鎮である小山裕久氏も「食材は神様からのいただきものなので大切にしたい」と述べ、どんな素材に対しても真摯に向き合う料理人らしい謙虚な姿勢が、会場の共感をよんだ。
つまり、まずいのは食材ではなく、人間の勝手な事情。やり方次第で好きになるかもしれない可能性を秘めている“まずいもの”は、もしかしたら『明日、うまいもの』になり得るということ。「同じメンバーで話すことは2度とないかもしれません。メンバー含め、会場のみなさんと一緒に1つの作品ができあがったと思います」と千住氏。音楽家らしい旋律のある言葉で、時間をともにした喜びを語ってくれた。
7月13日(日) 14:00〜15:30
テーマ「いい顔してる?」
- 原島博 (コミュニケーション工学者 東京大学大学院教授)
- 千葉麗子 (Yogaインストラクター)
- 園山真希絵 (料理研究家)
- 茂木健一郎 (ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャー)
今回のモデレーター、原島博氏がパネリストに迎えたのは、ミニワンピースが似合う、千葉麗子氏、園山真希絵氏に加え、テレビでも活躍中の茂木健一郎氏。“教授+女子大生”みたいな組み合わせの中、にぎやかなトークがスタートした。
今回のテーマ『いい顔してる?』の問いかけに対し、「おいしくて元気になる食べ物を食べていれば、顔も良くなる。幸せは周りの人にも伝染するし、感謝しながら食べることが大切」と園山氏。ヨガインストラクターの千葉氏は、心と体が一体化することでバランスが整うヨガのあり方から「顔のバランスも心のバランスのあらわれ」だと語った。原島氏も、いい顔とは顔カタチの良さではなく「その人との共感性だったり、どういう気持ちで見るかによって変わる」と、顔と心の密接な関係についてさらに言及。そして、美しい顔というのは左右のバランスの良さだと言い「バランスがとれているというのは、適応能力が高く、生存競争にも強いということ。社会が複雑になったとき、いろんなバランスが必要になってくる」と、現代を生き抜くためにもバランス感覚が重要性だと述べた。そして「優れた小説はバランスがいい。組み合わせのバランスによって、作品が生み出されていく」と茂木氏。バランスがキーワードになり『いい顔は心と体のバランスだ』とまとまった。
さて余談でひとつだけご忠告。日本顔学会の会長でもある原島氏によると、世の中で1番いいカオをしているのは“詐欺師”だそう!あまりにもウサンクサイ笑顔で近づいてくる人には、注意した方がいいかも!?
7月13日(日) 15:00〜17:20
テーマ「明日へ」
- 日比野克彦 (アーティスト)
- 森司 (水戸芸術館現代美術センター 主任学芸員)
- 秋元雄史 (金沢21世紀美術館館長)
- 逢坂恵理子 (森美術館 アーティスティック・ディレクター)
プレ会議の最後を飾るのは、「日本文化デザイン会議」の代表幹事である日比野克彦氏。パネリストとして集まっていただいたのは、アーティストと縁の深い、有名美術館に携わる面々。「個人個人では会っているが、一同で会う機会はないメンバー」と、日比野氏も楽しみにしている様子だ。
原島氏からのお題は『明日へ』。副題に『明日のアートへ、明日の愛する人へ、明日のわたしへ』などなど、たくさんの“明日へ”のメッセージがテーマ。これにちなんで、日比野氏が取り組んでいる「明後日朝顔プロジェクト」の話に。廃校になった木造二階建ての小学校を朝顔で覆いつくし、住民と朝顔を育てはじめたのをきっかけに、地域と人とのつながりを促進するというものだ。これにより、芸術表現の根本である、人と地域との交流が生まれたという。逢坂恵理子氏も「美術館は外へ出よう」と発言し、閉鎖されて敷居の高いイメージを払拭したいと語った。美術館は単体ではなく、アート作品を通して精神的に解放され、豊かになっていくため、もっと複合施設が必要ではないかと模索中だ。そして美術館の役割とは地域の人々と共に作っていくことであり、それこそが21世紀に求められる美術館の姿であると、一同に語った。
会場からは「アートは人類にとって必要か?」、「アートとか美術とか、差別用語な気がする」というような声もあり、まだまだアートが特別で次元の違う世界だと認識している人が多いようだ。そうではなくて、4人が考えるアートとはもっと身近に感じるべきもの。総括として『artがあたりまえにある明日』を願い、全10回にわたったプレ会議の幕を閉じた。
7月14日 本会議
<第1部 オープニング>
「日本文化デザイン会議」第30回を記念し、東京・赤坂の地で、中島信也氏、蜷川有紀氏による司会進行のもと、本会議が開催された。これまでの日本文化デザイン会議と共に同時代の日本文化を振り返り、未来に向けた提言などを自由に語り合うという趣旨だ。
代表幹事である日比野克彦氏が謝辞を述べ、続いて、今回議長を務めたしりあがり寿氏が登場。本会議に先駆けて行われた5日間に及ぶプレ会議では、延べ約800名もの方に足を運んでもらえたことに感謝の意を述べた。実行委員である、千住明氏、曽我部昌史氏、多田宏行氏、中島信也氏、永井一史氏、原島博氏からも一言ずつ挨拶をしていただき、改めて有意義な時間を過ごせたことを振り返った。
  
<記念スピーチ 梅原猛氏>
故・黒川紀章氏と「日本文化デザイン会議」の礎を築き、共に尽力、発展させてきた功労を讃えられての今回の日本文化デザイン大賞受賞だが、梅原氏はあくまでも「成り行きだ」と謙遜。これからの文化や学問のあり方に対して「外国の文化や日本古来の文化を継承していくだけではダメ。学問とは常に新しいことを創造していかねばならない」と、83歳を迎える現在も意欲的に仕事に取り組まれており、また新しいものの見方がなかなかできない学者たちの現状に、故・岡本太郎氏のエピソードを引き合いに出し「死んだら評価される(笑)」と冗談を交えながらも、保守的な傾向にある現状に対して警鐘を鳴らした。現在もなお、世阿弥や親鸞について、研究に余念がないという氏。「親鸞のように、80歳を超えてからもいい仕事をしたい。そしてまた、賞をもらいたい」と笑顔でしめくくった。生き生きとした瞳とあふれる好奇心で今後の抱負を語った。

<第2部オープニング 〜第30回記念ソング発表>
第二部では、河原敏文氏、マリ・クリスティーヌ氏による司会のもと、日本文化デザイン会議第30回記念ソングの発表と、8つのテーマについて出演者が語り合うという「スピーチ漫陀羅」が行われた。
発表された記念ソングは、しりあがり寿氏作詞、千住明氏作曲の「スピーチバルーンの歌」。はじめて作詞に挑戦したというしりあがり氏だったが、「どんな人にでも伝わる力を持った言葉が詰まっていた」と、千住氏から絶賛の詞に仕上がった。
 
<スピーチ漫陀羅>
<しりあがり議長 総括>
<エンディング合唱>
【議長メッセージ】
日本文化デザイン会議30回目のテーマは… です!
これは漫画の世界でいう「スピーチバルーン」
「フキダシ」といったほうがわかりやすいかもしれません。
漫画ではご存知のようにこの中に文字が入ると
それは人が「話している」ということになります。
話す内容よりも、まずは話すという行為。
30回目の会議にふさわしいテーマは何かと考えた時に
まさにボクの頭の上の に浮かんだのは「話す」、ということでした。
「話す」は会議の基本です。会議は の集まりです。
そんな がさらにまたたくさん集まってこの社会を作っています。
でも「話す」ことにはちょっぴり勇気がいります。
「こんなこと話してバカにされないだろうか?」
「相手を怒らせないだろうか?」
「空気を読めないヤツと思われないだろうか?」
特に「ホントのこと」や「大切なこと」を話す時には
ドキドキします。
今、話すことはちょっとした冒険かもしれません。
でもそんな不安を超えて、話さなければ何も始まらない。
今回のデザイン会議では、
いままで30回のデザイン会議の中ででてきたたくさんの
今年、東京で集まるいくつもの 、
そんな数え切れない に囲まれて
「話す」ことに思いをめぐらせてみたいと思います。
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