活動内容

インターデザインフォーラム TOKYO 2020 VOL15

インターデザインフォーラム TOKYO 2020 VOL14

インターデザインフォーラム TOKYO 2020 VOL13

インターデザインフォーラム TOKYO 2019 VOL12
JIDF学生文化デザイン賞2019

インターデザインフォーラム TOKYO 2019 VOL11

インターデザインフォーラム TOKYO 2019 VOL10

インターデザインフォーラム TOKYO 2018 VOL9
JIDF学生文化デザイン賞2018

インターデザインフォーラム TOKYO 2018 VOL8

インターデザインフォーラム TOKYO 2018 VOL7

インターデザインフォーラム TOKYO 2017 VOL6

インターデザインフォーラム TOKYO 2017 VOL5

インターデザインフォーラム TOKYO 2017 VOL4

インターデザインフォーラム TOKYO 2016 VOL3

インターデザインフォーラム TOKYO 2016 VOL2

インターデザインフォーラム TOKYO 2016

インターデザインフォーラム TOKYO 2015

インターデザインフォーラム TOKYO 2014

インターデザインフォーラム TOKYO 2013

日本文化デザインフォーラム 2012 アートプロジェクト with 北本ビタミン

BS12TwellVでの番組『発想力学~トップクリエイターのアタマの中~』

里山のつどい・日本文化デザインフォーラム「自然学」プロジェクトin秦野

日印グローバル・パートナーシップ・サミット2011

日本文化デザイン会議 2010 アートプロジェクト with 北本ビタミン

InterFM「ほぼ週刊日本文化デザインフォーラムナイト」

JIDFフォーラム 3331 Arts Chiyoda

日本文化デザイン会議2009 アートプロジェクト in 北本市

日本文化デザイン会議2009 渋谷・青山プロジェクト

日本文化デザイン塾

三重プロジェクト

東京プロジェクト

金沢プロジェクト

東京文化計画

出版事業

フォーラム

JIDF藝大フォーラム
JIDF 藝大フォーラム

チェアマン:日比野克彦

赤池 学/五十嵐太郎/榎本了壱/大須賀勇/大樋年雄/小笠原敬承斎/鏡リュウジ/香山リカ/河原敏文/
サエキけんぞう/千住 明/園山真希絵/髙木和郎/多田宏行/谷山雅計/千葉麗子/佃 一可/寺門孝之/
蜷川有紀/芳賀直子/八谷和彦/原島 博/ペマ・ギャルポ/森本千絵/山田真美/若林広幸
(五十音順)


多田氏が引いたテーマは「伝えるということについて」。まずチベット・ブータンのスポークスマンを務めるペマ氏が、伝え手と受け手の相互関係を重視するチベット流の考え方を披露。「聞く側が何を求めているかを理解しないと伝わらない」と述べると、多田氏は「400年ぶりにアジアが世界の中心になろうとしている。日本がうまいコーディネーター役になれれば」と自らの信念を語った。谷山氏はコピーライターという仕事を「もの伝え」と捉え、「1000万人に伝えようとするとき、言葉が勝手に働く必要がある」とコメント。サエキ氏はJ-POPの作り手が日本の音楽しか聞かない傾向に触れ「日本人には文化が成熟すると、外から取り入れることをやめるクセが?」と提言し、3人に「日本人は伝えるのが上手い? 下手?」と問いかけた。「アジアの模範国家だった1960〜70年代の日本は、生き方そのものが何かを伝えていた。現代は下手」と、ペマ氏からは厳しい意見が。「日本人同士で伝え合うのは上手い」と言う谷山氏は、カンヌ広告祭を例に「文化に関しては、世界に伝えることで薄まることもある」と言及。多田氏は「内向きと外向きの違いを教えないといけない。外向きである国際社会でのスタンダードを作らないと」との認識を示した。サエキ氏は若者が海外旅行を避ける傾向も危惧し「傷つくのを恐れず、1日でも多く行った方が」と会場に呼びかけ、終了となった。


「日本の伝統を現代アートにどう生かすか」というテーマを引き当てた千葉氏は「私、みんなのためにちゃんと引くね」と自画自賛。佃氏は自己紹介の際に会場にふるまった水出し茶を「伝統に合わせながら今の時代の、自分のものを作りたくて完成させたもの」と語った。「佃さん、小笠原さんと逆の意味で僕のテーマ」と述べる寺門氏は、伝統の柱なしに生まれたからこそ、それとの関わりを考えながら絵を描き続けていくそう。アメリカやインドでヨーガを学んでいる千葉氏は「一連の動きに日本ならではの美しい所作を追加するには、お師匠さんにつかないとダメ」と述べた。小笠原氏は〝武士は白い着物が一番カッコいい〟という室町時代の古文書の記述を例に「自己主張が叫ばれる昨今、日本人が大事にしてきた慎むという心を生かせたら」と提案した。千葉氏の話を受けて佃氏が「伝統芸能のメソッドを学べば、浅田真央ちゃんも金メダルが取れる!」と断言すれば、「礼儀作法が一番大きく変わったのはいつ?」という寺門氏の問いに、小笠原氏が「室町時代から江戸時代にかけて。人間の欲を理解した上でどうコミュニケーションを取るか、という応用性が出てきた」と回答。さらに寺門氏が「江戸時代までの絵画における目は線のようなのに、幕末の写真には目がパッチリした人が。その乖離に興味」と言えば佃氏が「上品な目というのは細いんでしょう」と応じるなど、会員間で活発なトークが飛び交った。


このパートは2人の学生がゲストに質問する形で進行した。まずは平田くんがそれぞれに質問。「コラボレーションした結果、ビジュアル的にデザインに満足できるのか?」と問われた赤池氏は、「誰もやらなかったものを世の中に生み出すのが僕のミッション」と返答。アニメ『風の谷のナウシカ』に登場する飛行用装置メーヴェの実体化を続ける八谷氏は、その動機を尋ねられて「僕だけじゃなく、この会場にいる9割の人があったら乗りたいと思う。そういうものを作りたい」と述べ、赤池氏が「ユニバーサルデザインと同じ」と応じた。五十嵐氏は「建築評論家として建築家の良さをどう引き出したい?」という質問に対し、8月末にベネチアビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞したばかりの石上純也氏の例を挙げて「失敗しても前向きに倒れるぐらいのすごさがある」と評価。足立くんから3人への共通質問は、他者との共同作業について。八谷氏は「自分とコラボレーションできる相手はそう多くないから、最初にそれを探す」という。「アートの世界と比べて建築の世界は〝全て自分で作ることはない〟が当たり前」と回答した五十嵐氏自身は、他人と共同で文章を書くのが難しいそう。「大きなオフィスタワーには公共スペースが必須だが、建築家にそれをデザインする能力がないのでは」と考える赤池氏は、デザイナーとの共同作業を通して「もの作りのまっとうさ」を追求する大切さに触れた。


山田氏が引いた「自分のインスピレーションの源はどこにあるか」というテーマでトークがスタート。「ダジャレ」という榎本氏は、ひとつの音からいくつもの意味を瞬時に連想することで、発想が飛躍できる利点を語った。「恋しかない! 今までで一番の大恋愛の相手はインド」と情熱的に述べたのは山田氏。「常に湧きます。今ここで誰かが言ったこともヒントに」と答えた大樋氏は、アイデアノートを携帯しているそう。鏡氏は「インスピレーションとはイン・スピリット、スピリットが入ってくる状態」と言葉を解説し、若いうちに出会い頭に何かに夢中になる大切さを伝えた。その鏡氏に榎本氏から「占星術に夢中になったのは?」と質問が。「オカルトブーム当時、10代の僕はスゴいと思ってしまった」と答えた鏡氏が、今度は大樋氏に「アイデアノートに記すのは言葉。陶芸という形にどう変換する?」と問いかける。「ときどき真っ暗な中で作る。誰かを思ったりすると粘土がその通りに反応」と応じた大樋氏は、陶芸は風水のように、手で触って初めて気付くものではないかと感じているという。山田氏は明治時代に生まれた「文化」という言葉を取り上げ「この言葉がなかった江戸時代以前は、もっとハチャメチャにやっていたのでは?」と、言葉の呪縛について提言を。これを受けて榎本氏が「文化にはいろんな意味、役割を腑分けする意味もあると思う」と語って、トークリレーが終了した。


このパートにも学生2人が参加した。森本氏が引いた「メディアと個人の表現について」というテーマを受けて、コミュニケーションメディアが専門の原島氏は「コミュニケーションは匿名ならぬ匿顔の時代に」と述べて、メールなどの顔を隠すコミュニケーションが個人そのものを変える可能性を提示。森本氏は中島氏と作ったNHK朝の連続テレビ小説『てっぱん』のオープニング映像を披露し、「投稿映像をどんどん差し替えて、原島先生が仰ったのと逆に、いろんな人に顔を見せてもらいたい」と語った。学生の名越くんが「皆さんは人をつなげる仕事を。たとえ嫌な経験をしても人が好き?」と尋ねると、園山氏が「人生で2回騙されたことが。結局人は人で傷ついて、人で救われる」と応じた。一方原島氏は「裏切られたことも、振られたことも忘れるタイプ」とのこと。意外にも1人でいるのが好きだという中島氏は「皆で何かやるのは大変だけど、そういうときはテンション上げまくった方が楽。祭は一生続かないから大丈夫」とアドバイス。さらに会場の学生から「商業的な場における個人の表現について」という質問が。「昔から、誰かに頼まれて何か作るのが好き」という森本氏は、大きなプロジェクトの際に自己陶酔したアイデアを出さないようにしているそう。中島氏は「与えられた仕事にいかに応えられるかが問題。自分自身を出すことは全然考えない」と、自らの姿勢を述べて終了となった。


「人前での表現について」というテーマを引いた芳賀氏は「この場にふさわしいもの」と大いに満足。まず河原氏が、アメリカへのCG留学から帰国した77年当時、CGの概念自体を啓蒙する必要に迫られたことに触れ、「CG制作以前に、雑誌に書いたりTVに出たりするのが、僕の最初の人前での表現」と振り返った。高木氏は無から有を作り出す際のブリッジとなる企画書の大切さを、「これが生きたものでないと伝わらない。心を入れて作らないと」と述べた。小学生の頃、家族で観た女剣劇とストリップの思い出から「見てはいけないものを人前で見せるのが、僕の表現の原点」と語ったのは大須賀氏。さらに「表現とは相手なしには成立しない」という河原氏の意見を受けて芳賀氏は「その相手から評価を引き出すためにプロデューサーは何をするか」と、バレエ『牧神の午後』初演時のエピソードを披露した。ここで日比野氏から、高木氏がプロデューサーとして携わる中田英寿氏の活動〝TAKE ACTION〟について「あれは何を表現したい? もしかしてプロデュース側の仕込み?」と突っ込んだ質問が。高木氏は「2008年という特別な年に、人々に気付きを与えるキャンペーンをやりたい気持ちを彼と私が共有していた。策略的なことではない」と回答。また大須賀氏は全裸で踊る舞踊家・岩名雅記氏の例を挙げて、「人前での表現とは、精神的なストリップができるかどうか」と言及して締めくくった。


まず、このパートに参加した2名の学生のうちのひとり、中村さんから「言葉と、言葉ではないものが持つ力について」という質問が。これを受けて千住氏は、同時多発テロの後に「〝音楽は心から心に届けるもの〟だと初めて語れるようになった」と心境の変化を語った。「うちは口が悪い家系」と笑う蜷川氏は「はっきり言うと誤解も受ける。しばらく黙ることが、私の言葉になるのでは」との認識。若林氏は、建築制作における制約の多さに触れて、「コミュニケーションが取りにくい中で自分の思いをどう伝え、どう相手を説得するかが大切。メゲてはいけない」と述べた。「精神科医は言葉を使う仕事」という香山氏によると、「どんな人の人生も作品、そこにはものすごいドラマが」とのこと。次に小田さんが「インターネットなどの新しいツールの誕生で、どんな変化を感じる?」と4人に問いかけた。まず「他人との距離感がごちゃごちゃになっている。我々の業界にとっては混乱の源」と答えたのは香山氏。若林氏は「CGを使ってどんな荒唐無稽な建築も表現できる時代に」と、可能性の拡大を謳歌している様子。蜷川氏は「90年代、PCの出現に興奮。創作意欲を刺激される」と語った。千住氏はネット配信が主流となり、CD販売が不振となった音楽業界を例に挙げて、「楽しむ側には多様な可能性が生まれたが、世界中の音楽家たちは今後どう生きていくかを模索中」と危機感を示した。