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'05 なごや・せと テーマ「コドナ藝術大学開校」
'05 なごや・せと
テーマ「コドナ藝術大学開校」



■会期 - 2005年5月14日(土)~5月15日(日)
■講師数 - 83名
■参加者数 - 約4,000名
シンボルマーク
■会場 - 名古屋市立山吹小学校/ウィルあいち/東海学園/瀬戸市文化センター/瀬戸蔵
■主催 - 日本文化デザインフォーラム/
第27回日本文化デザイン会議なごやせと実行委員会/
愛知県/名古屋市/瀬戸市/名古屋商工会議所/中日新聞/東海テレビ放送
■協力 - スジャータめいらくグループ
■連携協力 - 財団法人2005年日本国際博覧会協
■後援 - 経済産業省/国際交流基金/日本青年会議所/全日本広告連盟/
愛知県教育委員会/名古屋市教育委員会/瀬戸市教育委員会/
(社)名古屋青年会議所
■特別協賛 - トヨタ自動車株式会社/東海旅客鉄道株式会社/大成建設株式会社/
株式会社NTTドコモ東海

議長 - 千住博
副議長 - 池坊由紀/遠藤秀平/香山リカ/近藤高弘/サエキけんぞう/千住明/
千住真理子/高城剛/望月六郎/横川潤


3年ぶりの地方都市開催となる今会議は、千住博議長のもと、コドモとオトナが同じ目線で話をし、刺激しあうための新しい試みの場となりました。今の日本にはイマジネーション(想像すること)クリエイション(創造すること)そしてコミュニケーション(共感すること)が決定的に欠けている。この3つの素晴らしい宝物を芸術を通して若い世代に伝えたいという千住博議長の熱い思いで、2日間の「コドナ藝術大学」が実現しました。
メイン会場は、名古屋市の山吹小学校に設定。実際の小学校の講堂で、教室で、校庭で各界の第一線で活躍する文化人が多彩なプログラムを展開しました。
プログラムも大学のカリキュラムに準じて、アンダー15キャンパスのワークショップ、オープンキャンパスのシンポジウムなどすべてのプログラムに学部、学科名をつけました。山吹小学校以外でも、東海学園で、「生活向上委員会―これはこまった!史上最大の人生相談」、瀬戸市では日比野克彦氏ワークショップと、ポスト万博を考えるシンポジウムが「特別講座」として開催され、多くの受講生を集めました。
また、日本文化デザイン賞も「コドナ」にちなんで選考、日本文化デザイン賞プレゼンテーションでは、谷川俊太郎氏の絵本朗読やアンパンマンも登場するなどまさに芸術の宝物がいっぱいのプログラムとなりました。
たった2日間のために、千住明作曲 サエキけんぞう作詞の校歌「タネの奥にハナ」も制作し、開校記念式典のほか卒業式でも参加者全員で斉唱しました。
延べ4000人の卒業生みんなが、将来の夢に向けてなにかを見つけることができたのがなによりの収穫となりました。
主なプログラムは以下のとおりです。


■開校式
千住博議長の開校宣言に引き続き、「コドナ藝術大学」学長千住文子氏による基調講演がありました。
<心をCTスキャンする>というタイトルで、オトナもコドモも一番大切なものは「心」という見ないもの、心で心をさぐりましょうと会議参加者に呼びかけました。
引き続き、基調シンポジウム<平成教育論>が行われ、慶應幼稚舎舎長はじめ教育者として経験豊富な金子郁容氏と團紀彦氏が現代における教育のあり方を議論しました。
開校式の司会はNHKアナウンサー森田美由紀氏がつとめました。



■千住博リクル-トル-ム<私はこうしてプロになった>
開会式に続いて、講堂で開催、千住博議長が、各界超一流のゲストを迎え、どうしたらその道のプロになることができるのかインタビュ-しました。
サイトウマコト氏 眞木準氏 宮本亜門氏 竹村真一氏 三國清三氏 織作峰子氏 遠藤秀平氏 妹島和世氏という錚錚たるゲストがそれぞれの作品を映像でみせながら創作の秘密を公開。千住博議長は、この講座の受講者から、将来、超一流のデザイナーや建築家やシェフになる人が出ることを期待していると語っています。



■名誉教授シンポジウム
15日には、コドナ藝術大学の名誉教授として、河合隼雄文化庁長官を迎え、黒川紀章最高顧問、千住博議長が、芸術文化を通しての日本の大改革を論じました。
進行役を努めたマリ・クリスティーヌ氏から、議論が白熱しすぎて、時間内で終わらせるのがもったいないくらいという感想もあったほど、それぞれが自分の立場からの意見を熱く論じ合う場となりました。



■アンダー15キャンパスーワークショップ選手権
アンダー15キャンパスでは、事前公募で集まったこどもたちを対象に8つのワークショップを実施しました。

[華道学部]
<Art de Ikebana ~アートで生け花~>
池坊由紀氏が指導。初日はペットボトルなど廃品を利用して花器を作り、翌日自分で作った花器に花を生けました。

[陶芸学部]
<土のワークー土に学ぶ用と美>
4月9日に、近藤高弘 佃一可両氏が参加し、瀬戸市でプレイベントとして陶器づくりを体験。初日はプレイベントで作って焼きあがった作品の合評会と近藤高弘、大樋年雄両氏のデモンストレーションを行いました。翌日はこどもたちの作品を使って佃一可氏プロデュースのお茶会も楽しみました。

[料理学部]
<スジャータ杯ミルク粥プリンクッキング>
横川潤氏がプロデュースしたこども料理教室。スジャータの日比治雄社長の協力のもと、料理研究家の園山真希絵氏が料理指導してミルク粥プリンを制作。思い思いのデコレーションを施しました。

[書道学部]
<文字を楽しむ書>
若林広幸氏プロデュ-スで、岡本光平氏が書道を指導。初日は、藁や木の根や刷毛などを使って自分だけの筆づくり、翌日、紙、木っ端、Tシャツなどに自由に書き上げました。

[空間学部]
<紙の錬金術>
遠藤秀平氏プロデュースでペ-パーエンジニアの高橋孝一氏が指導。紙を切ったり、折ったり、曲げたりして、紙造形の空間を創出しました。

[インテリア学部]
<きもちのいい椅子を作る>
黒川雅之氏が椅子づくりを指導しました。初日は画用紙で小さな椅子を試作、それで方針を決めたら図面を書いてダンボールで本格的な椅子づくり、小さなこどものためにはお父さんがカッターで切るなど家族ぐるみで楽しみました。

上記の6講座は14日~15日の2日にわたって実施。卒業式には、それぞれのワークショップの優秀作品の表彰式も行なわれました。
講師からは「小学校の先生になればよかった」という声もでるほど、どの講座もこどもたちが熱心に目を輝かせて参加。有意義な2日間になりました。
ほかにも14日には、稲越功一氏が「写真はこころの日記、一日一日の君たちの思いを写そう」と呼びかけた[写真学部]<写真を楽しむ~心の日記~>を開催。事前に宿題となっていた「友だちの写真」の優秀作には稲越功一氏から賞が贈られました。
瀬戸市文化センターでは日比野克彦氏の[造形学部]<みんなでひとつ~陶板絵付けまつり~>が 開催され200人が絵皿の絵付をしました。作品は、瀬戸市内の公園に設置される予定です。



■オープンキャンパス
山吹小学校の各教室では広い年令層を対象とするオープンキャンパスと銘打ったシンポジウムが並行開催されました。
開演前から満員となり立ち見になる講座も続出。なかでも、<弥次さん喜多さん世界珍道中><オンナって何?オトコって何?><名古屋の男 名古屋の女>には定員の3倍以上の観客が詰めかけました。
また、[スポーツ芸術学部]<ヨーガレッスンin名古屋 インテグラルヨーガ>として千葉麗子氏がインテグラルヨーガインストラクター森谷佑子氏と瞑想、呼吸法、ハタ・ヨーガをベースにしたヨーガを実地指導する講座も人気を集めました。
14日、15日の2日にわたって映画監督望月六郎氏が蜷川有紀氏を主役に、一般参加者が出演し即興で映画を作ってしまったのが[映像学部]<本日撮影・本日上映>。作品は、卒業式で上映されました。



■特別講座
コドナ藝術大学の特別講座として、東海学園講堂で<生活向上委員会-これはこまった!史上最大の人生相談>と瀬戸蔵 つばきホ-ルにて<ポスト万博展望>のふたつを実施しました。
「生活向上委員会」では、最初に東海学園OBの黒川紀章最高顧問が挨拶、ひきつづき 千住博議長、秋元康氏、勝井三雄氏、田中眞紀子氏、芳賀徹氏、森村泰昌氏が、全国各地から寄せられた人生相談の難題奇問にお答えしました。まさに「史上最大」級の回答陣から次々とユニークな解決案が飛びだして会場を沸かせました。
愛知万博会場に近い瀬戸市で行なわれた<ポスト万博展望>では、モデュレーターの水野誠一氏ほか、團紀彦氏、榎本大輔氏、古川元久氏、岸本周平氏に愛知万博の協会副会長である坂本春生氏が加わり、万博から何を学び、何を残し、何を生み続けていけるのかそれぞれの思いを語りました。



■開校記念式典
15日、ウィル愛知では、NTTドコモ東海協賛を得て「開校記念式典」が開催されました。 第一部は、千住博氏の作品をバックに、千住明氏作曲の「四季 フォーシーズンズ」を千住真理子氏と名古屋フィルメンバーを中心とする弦楽アンサンブルが演奏しました。
そして第二部。この2日間のために制作されたコドナ藝術大学校歌「タネの奥にハナ」が発表されました。作曲の千住明氏、作詞のサエキけんぞう氏のトークのあと、小中学生の合唱を披露。
その後、サエキけんぞう、千住明両氏と特別参加の男女1名ずつのこどもシンガーが振付けとあわせて会場を歌唱指導、最後は、観客全員立ち上がっての大合唱となりました。
感動的な体験だったという賞賛の声があちこちから寄せられています。



■展示プログラム「ぼくたちがこどもだったころ」
日本文化デザインフォーラム会員から10歳までの作品や写真を出品いただいた展示を実施。千住博、中島信也、鈴木エドワ-ド、近藤高弘、蜷川有紀、高城剛、原島博、金子郁容、織作峰子、寺門孝之、榎本了壱のみなさんの作品を展示しました。いずれも子供時代からの非凡な才能を感じさせる作品揃いで、大勢の観客から感嘆の声が上がっていました。



■日本文化デザイン賞プレゼンテーション
今年度の日本文化デザイン賞は「コドナ藝術大学」のテーマに沿って
1.世界のこどものために文化的な活動をしているおとな
2.こどものころの幼ごころを忘れないでクリエイション活動しているおとな
3.おとなとこどもを結ぶ文化的な活動をしている個人、団体
4.かつてのこども、いまのこどもに夢をあたえた(あたえている)
企業、という選考基準で選びました。
その受賞者のみなさまに、ご自身の作品やお仕事のプレゼンテーションをお願いし、素晴らしい芸術の宝物が詰まったステージになりました。
日本文化デザイン賞のアンパンマンは、原作者のやなせたかし先生といっしょに登場。アンパンマンの仲間たちといっしょに大合唱で会場を盛り上げました。
引き続き子供地球基金が、アートで展開しているチャリティ活動を紹介、故・中尊寺ゆつこ氏の作品はご主人の小林雅弘氏から紹介されました。
今回はじめて人ではなくモノが受賞。「お子様ランチ」については三越デパートから提供の資料で歴史を振り返りました。
今回欠席の大倉正之助氏に代わって、門下生の中高校生が参加。みごとな能の舞台を披露してくれました。そして、フィナーレは、日本文化デザイン大賞受賞の谷川俊太郎氏の絵本朗読。
僕も私も昔は「こども」だったのだ。
いや今も「こども」なのかもしれない。
まさに観客全員がそんなきもちになったステージでした。



■巨大バームクーヘン作り
こどもたちに食べる楽しみを伝えたい、無農薬のホンモノの味を教えたい、そんな願いをモットーに、スローライフを推進している食農学習ファーム<モクモク手づくりファーム>のご協力で、15日、山吹小学校の校庭で、こどもたちが巨大バームクーヘン作りに挑戦しました。大きな竹を芯にして、焼けたらくるりと1回転の繰り返し。焼き上がりにはこどもたちに混じって講師の先生たちも手づくりならではの味を満喫しました。



■閉会式
閉会式は、日比野克彦代表幹事、瀬戸市長の挨拶に引きつづき日本文化デザイン賞授賞式が行なわれました。
授賞委員がそれぞれプレゼンターをつとめ、日本文化デザイン賞のアンパンマンとやなせたかし氏は、中島信也委員、子供地球基金には、千葉麗子委員、大倉正之助氏に坂井直樹委員、中尊寺ゆつこ氏に高城剛委員、そしてお子様ランチと谷川俊太郎氏には原島博受賞委員長がそれぞれ受賞理由を読み上げ、千住博氏制作の賞状と日比野克彦氏制作の副賞を贈呈しました。
引き続きワークショップ選手権表彰式が行なわれ、池坊由紀、近藤高弘、岡本光平、黒川雅之、遠藤秀平、横川潤の各講座の先生から最優秀作品に表彰状が贈られました。
千住博議長による挨拶のあと、校歌「タネの奥にハナ」の斉唱が感動的に卒業式を盛り上げました。
また2006年の開催が決定している徳島県およびマリ・クリスティーヌ議長の挨拶があり、最後に望月六郎氏の映画「本日撮影 本日上映」が上映され、無事2日間のプログラムを終了しました。




【議長メッセージ】
日本文化デザイン会議は、第27回を迎え、名古屋、瀬戸で開催されることになりました。
テーマは、「コドナ藝術大学開校!」です。

"芸術?私には関係ないかも"、などと言わないで下さい。イマジネーション(想像すること)、クリエイション(創造すること)、そしてコミュニケーション(共感すること)、この3つは、芸術が与えてくれる偉大な宝物ですが、皆さんも絵や音楽、建築、料理などを通して、無意識のうちに学んできているのですから。

しかし、今の日本を俯瞰してみると、この宝物が決定的に足りないのです。知らず識らずのうちにどこかに抜け落ちてしまった、そんな国になってしまっていることに気がつきます。特に若い皆さんを取り巻く環境に顕著なように感じます。
"こんなことをしたらどうなるか"というイマジネーションの欠落が、いくつもの悲しい事件を生む。あふれる情報の洪水で、知らぬうちにクリエイティブな心を置き去りにしてしまう。孤立し、さみしさに震え、誰にも理解してもらえない、そんなコミュニケーションの不在…。
本来芸術が果たすべき役割は、まるで死滅してしまったかのようです。

でも、そうではなくて、ちょっと忘れられているだけ、と私は思っています。
ですから、この大学は忘れられている宝物を21世紀の日本を担う若い皆さんと共に掘り出していく、そんな場にしたいと思います。
だから、宝物を生み出す「芸術」がキーワードなのです!

キーワードはもうひとつあります。「コドナ」です。
コドナって何?そう、ヘンな言葉ですね。実は、コドモとオトナ、その真ん中のことです。
自分たちは子供ではない。けれど、まだまだ経験が足りない。私はそんな若い皆さんと同じ目線で接したいと思っています。そして、皆さんの素晴らしいイマジネーションを刺激して、皆さんの驚くようなクリエイションを引っ張り出し、皆さんと共感したり話し合ったりしてコミュニケーションをつくり、仲間になりたい、そう思います。

「映画監督になるにはどうしたらいいの?」「料理研究家になりたいのですけれど」「建築家ってかっこいい」「漫画家になりたい」…。
わくわくして夢中になれる何かを見つけてください。それは、いびつOK。
いびつなものこそ、枠を超える能力があるのですから。
まずは、皆さんの話を聞かせてください。

各分野の専門家が徹底的にお話します。皆さんは大人の小型版ではないのですから、私たちもしっかりお話をします。
だから、どんどん集まってくださいね。
コドナ芸術大学が、21世紀の日本を救うかもしれないのですから!

さあ、ただいまから「コドナ藝術大学開校!」


第27回 日本文化デザイン会議なごや・せと
議長 千住博